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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻1号

1965年01月発行

文献概要

特集 外科と内分泌・1

乳腺疾患とホルモン—進行乳癌例を含む

著者: 藤森正雄1 饗場庄一1

所属機関: 1群馬大学外科学教室

ページ範囲:P.57 - P.63

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はじめに
 乳腺は副性器として内分泌的影響を強く受ける.すなわち,卵巣を主として下垂体,副腎,甲状腺など内分泌腺相互の影響のもとに,その発育と機能が維持されている.なかでも卵胞ホルモン(estrogen)は乳腺輸出管およびその周囲結合織の発育に,黄体ホルモン(progesterone)は乳腺腺葉の増殖に,催乳ホルモン(prolactin)は乳腺小葉の終末腺胞の発育と分泌機能に関与している.したがつて乳腺疾患にはその成立過程において内分泌環境の異常に基因するものが少なくない,また治療の面でも性ホルモンの投与のみならず,卵巣,副腎,下垂体などの剔除術すら行なわれることがある.
 ここでは,とくにホルモンと密接な関係をもち,日常外科臨床で遭遇する機会の多い乳腺症と乳癌について略述する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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