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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻1号

1965年01月発行

文献概要

カンファレンス

肝硬変症と食道靜脈瘤破綻(脾臓静脈吻合術)

著者: 小島憲1 平野謙次郎1 布施為松2 上野幸久3 藤田五郎6 太田怜3 武田定衛2 佐藤亮五3 吉本和夫4 前原義二5 田中満1 大久保克祐1 山田瞭1 高島民守1 前田昭三郎1

所属機関: 1自衛隊中央病院 2自衛隊中央病院外科 3自衛隊中央病院内科 4自衛隊中央病院小児科 5自衛隊中央病院研究部病理係 6自衛隊中央病院外来

ページ範囲:P.83 - P.87

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 藤田(司会)それでは只今から第251回CPCを行ないます.今日の症例は,内科,一般外科ともに重要な関係のあるケースですが,計議進行上,先に一般外科のほうから一応全経過を説明していただいて,そのあと内科側から必要な事項を補足説明していただくようにしたいと思います.
 武田 患者は,41歳の会社員,主訴は吐血および下血です.昭和38年9月16日共連三宿病院内科に入院,同年3月2日外科に転科して同月27日死亡した症例です.家族歴および既往歴にはとくに申しあげるようなものはありません.現病歴は,昭和36年からクモ状血管腫に気付いていましたが,昭和38年8月初旬から38℃〜39℃ていどの不定の発熱をみ,同月下旬頃には下肢の浮腫,下腹部膨満感を訴えるようになつたので,某医に受診したところ肝疾患を疑われて利尿剤の投与をうけていました.しかしながら,るいそう,食思不振も加わつてきたので,共連三宿病院内科に受診,9月16日肝硬変症の疑いで入院しました.入院時,肝機能検査,胃レントゲン検査,胆嚢造影,腹腔鏡検査などを施行した結果,肝硬変症の診断のもとに治療をうけ,愁訴や他覚的所見も好転しました.この間の治療は,プレドニゾロンを主としたものでありましたが,投与期間は10月9日から約2ヵ月,総計約1200mgです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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