icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻10号

1965年10月発行

グラフ グラフ解説

唾液腺撮影法

著者: 川島健吉1 鈴木宗治12 宮国俊雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第1外科学教室 2東京医科歯科大学医学部放射線医学教室

ページ範囲:P.1325 - P.1330

文献概要

 唾液腺に造影剤を注入して撮影しようとする試みは古く,すでに1904年にCharpyが屍体の耳下腺を水銀剤で,1913年にはAacelinが生体のワノレトン管を蒼鉛浮遊液で造影したといわれている.1925年にはBársonyがステノン管拡張症を20%沃度カリウム溶液で造影したが,注入にさいして耳下腺部に激痛と一過性の顔面神経麻痺が現われたとのべている.ついで1926年にはCarlstenがLipiodolを用いて両側性ステノン管拡張症を証明した.
 今日広く行なわれている唾液腺撮影法は,唾液腺管開口部に先端の鈍な針またはカニューレを挿入し,直接造影剤を注入しながら,あるいは注入直後に撮影する5)6)9).管開口部を消息子で拡大したり,ときには切開を加えることもある,造影剤は沃度油(40%Moljodol)11),Myo-sil8)あるいは水溶性沃度造影剤(76%Urografin10)などが用いられる,針またはカニューレと導管壁との隙間から造影剤が口腔内に逆流しない工夫もいろいろなされている4)11).針尖で管壁を傷つけたり術者の手がX線に曝射されないようにカテーテルを使用する者もある6)8).われわれも柔軟性ガイド・ワイヤーでポリエチレン管を唾液腺管内に導入する方法を用いはじめてから,すでに150例ちかくの症例を経験し十分満足すべき結果をえているので主としてその手技についてのべることにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら