文献詳細
論説
胆道癌手術成績の向上策について
著者: 大内清太1 小野慶一1 鳴海裕行1 小田桐充孝1 小原和夫1 阿保優1 山形尚正1
所属機関: 1弘前大学医学部大内外科
ページ範囲:P.1353 - P.1361
文献概要
一般に胆道系悪性腫瘍は症状の発現が遅く,また初期病像に特有な所見を欠くため,根治手術可能な時期に診断を下すことはきわめて困難である.したがつて多くの内科,外科医の努力にもかかわらず,その治療成績は他の消化器癌に比しきわめて不良な現状にある.
最近わが国においても胆道癌手術例の増加にともなつて,多くの症例集積による臨床像の分析1)-5)が行なわれるようになり,同時に術前診断法5),16)-21)や切除術の拡大を意図とした術式1)2)8)9)22)-25)などにも新しい工夫がみられるようになつた.したがつてその予後にもわずかずつながら向上の兆しがうかがえるようである.
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