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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻10号

1965年10月発行

文献概要

Pain clinic・3

顔面痛(2)

著者: 西邑信男1 木内実1 久場襄1

所属機関: 1日本医科大学麻酔科

ページ範囲:P.1404 - P.1407

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顔面神経痛の治療方針および治療法
 神経痛の発作が顔面に起こり,しかも三叉神経の分布野に一致していることが確かめられても,ただちに半月神経節のアルコールブロックをすることは早計であり,やはりじよじよに色々な原因をしらべいかなる型の神経痛であるか十分鑑別診断したのちに最も適切な診療方法をとるべきである.したがつて第1,2表のごとくわれわれは種々の方法はまずとり,真性の三叉神経痛のみに半月神経節のアルコールブロックを行なつてきている.まず,しらべるべきことは,trigger zoneである.これは三叉神経の骨から皮膚に出てくる所,すなわち,眼窩上縁,眼窩下孔,おとがい孔などを圧迫してみると三叉神経痛の場合においてはその部が非常に過敏となつている.さらに発作をひきおこすことができる.しばしば患者自身がどこがtrigger zoneであるかを知つていることが多く,時にはある歯に一致した歯齦部もしくは舌根の一部などにtrigger zoneを見ることがある.または外傷などによつて瘢痕の生じている場合においては,その瘢痕部がtrigger zoneになることがある.もしかようなtrigger zoneが発見される患者においてはその部において1%Carbocaine®またはXylocaine®0.5〜1.0ccで神経遮断を行なつてみるのが第1の方法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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