icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻10号

1965年10月発行

文献概要

外国文献

Pyroglobulin血,他

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.1460 - P.1463

文献購入ページに移動
 56℃に熱して不可逆性の沈降物をつくる血漿蛋白をpyroglobulinという.cryoglobulinが冷却させると沈降するというのに,相対するわけである,補体を非活性化させるべく,血清を56℃にあたためるとき偶然に発見することが多い.多発骨髄腫に最も多く報ぜられるが,その他の疾患(リンパ肉腫・食道癌・SLE・macroglob-ulinemiaなど)にも見出される.その化学は研究十分でなく,Bence-Jones蛋白かといわれる,South.Calif.Univ.のSolomon (Am.J.Med.38:937, 1965)はこの点を精査,とくにそのturnoverをしらべた.64歳黒人骨髄腫,pyrogl濃度4.36%,plasma vol. 3510ml,体重62kg,血管内pyrogl 量307g (4.95g/kg),pyrogl半減期9日,pyrogl 1日破壊量7.7%,turnover 0.38g/kg/24h (I131をラベルした検査).pyroglはelectropho-resis, chromatoで7Sγ-glに属す.したがつてBen-ce-Jones蛋白とは異つている.macrogl血症ではma-crogl turnoverは早いから,異常glを含むとき,そのturnoverはalbuminよりも早いと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?