icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻11号

1965年11月発行

文献概要

特集 熱傷の治療

熱傷

著者: 福田保1

所属機関: 1順天堂大学病院

ページ範囲:P.1491 - P.1495

文献購入ページに移動
はじめに
 生体の細胞組織はある温度(50℃で白血球破壊,70℃で凝固)以上の加熱によつて損傷を受けるものであるが,その傷害の程度は温度の高さと作用時間によつてさまざまである.皮膚の表面から受けた熱が深部に及ぶにはある時間を要するので,湯タンポなどによる熱傷では温度は高くなくとも作用時間が長ければ,熱傷は深部に及び小範囲でありながら全治までには長時間を要することは,しばしば経験されることである.
 熱傷の原因としては直接火焔によるもののほかに,加熱された固体や気体,液体に触れたり,高熱物体などからの輻射によるものなどがある.平時にあつては一般家庭で起こるものが多いが,火災や爆発,戦争などでは集団的に多発することがあり,特に重症者の多発するときには,充分の処置ができないまま死亡する患者の多いことは従来の事実が示している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?