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緊急検査法
梅毒の血清学的迅速検査法
著者: 鈴田達男1
所属機関: 1東大中央検査部血清
ページ範囲:P.1542 - P.1544
文献購入ページに移動 とつぜんの大出血または急を要する手術のさいに,まず必要なのは輸血であるが,保存血が手に入らなかつたり,検査サービスが受けられない場合が非常に多い,このような時に欠かすことの出来ない血清学的検査が二つある.一つは血液型の不適合がないかどうかをしらべる交叉適合試験であり他は給血者が梅毒に罹患していないかどうかをしらべる反応である.後者については幾多の訴訟問題をひきおこした輸血梅毒事件が報道されているにもかかわらず,これまでは簡単迅速に結果の判定できる方法がなかつたために,必要性は認識されながら半ばあきらめられていたかの感がある.しかし最近では以下にのべるような新しい検査法が実用に供せられ始めたので,今後の利用が大いに期待される.
簡易検査法の話の前に,ふつうの日常検査では検体が検査室に送られてから結果が判明するまでどの位かかつているかを一覧してみたい.第1表に示すように最も簡単で短時間に施行できるガラス板法でも1時間以上かかるが,ここで注目されることは,抗原の準備と試験そのものに要する時間は全体の20%に過ぎず,それ以外の時間の占める割合が意外に多いことである.したがつてこの血清分離と不活化の時間を短縮すればこの方法をそのままもちいても迅速化の目的を達することができる.
簡易検査法の話の前に,ふつうの日常検査では検体が検査室に送られてから結果が判明するまでどの位かかつているかを一覧してみたい.第1表に示すように最も簡単で短時間に施行できるガラス板法でも1時間以上かかるが,ここで注目されることは,抗原の準備と試験そのものに要する時間は全体の20%に過ぎず,それ以外の時間の占める割合が意外に多いことである.したがつてこの血清分離と不活化の時間を短縮すればこの方法をそのままもちいても迅速化の目的を達することができる.
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