臨床外科20巻11号

1965年11月発行

Pain clinic・4

くも膜下アルコールブロック

著者： 西邑信男¹ 木内実¹ 佐藤昭胤¹ 白井希明¹

所属機関： ¹日本医科大学麻酔学教室

ページ範囲：P.1566 - P.1570

文献概要

　癌の末期の疼痛にたいする治療法はいろいろある．この場合レントゲン照射とか外科的な治療法の有効なことが多いが一般にはモルフインなどの鎮痛剤を大量に使用してゆく方法がとられている．
　現在の一般の傾向として，大量の鎮痛剤を使用しないで疼痛のみをのぞこうとする努力が多くの人々によつてなされ，しばしば疼痛外来の対称となる．われわれは現在，末梢神経のアルコールブロック，長時間にわたる持続硬膜外麻酔，硬膜外腔アルコール注人などいろいろのこころみをやつてきたが，やはりもつとも有効でしかも合併症の少ないものは，くも膜下腔アルコール注人法であると考えている．