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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻12号

1965年12月発行

文献概要

緊急検査法 血清検査

交叉試験

著者: 大河内一雄1

所属機関: 1東大中央検査室輸血部

ページ範囲:P.1660 - P.1661

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 交叉試験の意図するものは,輸血にさいして,安全に輸血できるかどうかを試験管内で調べることである.絶対大丈夫という保証は,しかしいかなる一方法を用いてもなし得ない.まず安全ということは,食塩水法,酵素法,間接クームス法等々を併用することによつてのみはじめて言いうる.これらを全部やるとすると最低1〜2時間を要するとみてよい.大体,交叉試験の精度,あるいは信頼度は,それに要する時間に比例するものと考えてよい.ここに述べる緊急時の交叉試験はしたがつて,理想的なものでもなく,これをやれば事故を全く防げるというものでもなく,ただABOの型の間違いによる事故,あるいは強い不規則抗体,たとえば抗Rh式抗体による事故を防げるであろうというに止まる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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