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他科の知識 外科領域に必要な泌尿器科的疾患・4
腎性血尿をきたす疾患
著者: 宍戸仙太郎1 夏目修1
所属機関: 1東北大学医学部泌尿器科学教室
ページ範囲:P.1687 - P.1692
文献購入ページに移動 腎性血尿は通常結石,腫瘍,炎症,外傷などによりみられることが多いが,これらの疾患は最近急速に進歩した泌尿器科的検査法により容易に診断されうるものである.しかし腎性血尿でも常にその原因を究明できるわけではなく,なかには種々なる臨床的諸検査によつても出血病因を明らかにすることができず,またときには腎摘除術を行なつてからはじめて診断が確定することもあり,さらには摘除腎の病理組織学的検索によつても出血が如何なる機転でみられるのか解明できないこともある.これが臨床的に特発性腎出血とよばれるものであるが,われわれ泌尿器科医でもときに泌尿器科的検査を丹念に行なわない場合には血尿の原因が遊走腎によるものであつてもこれを見逃して特発性腎出血と診断したり,また非常にまれな疾患で,しかもその上血尿を呈することがほとんどないため多発性骨髄腫による血尿を腎腫瘍によるものと誤診することもある,したがつてここでは特発性腎出血,遊走腎,多発性骨髄腫などまれなものではあるが腎性血尿をみる疾患について考察するとともに血尿の系統的検査などについても触れてみたい.
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