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呼吸器疾患について外科への希望
著者: 島村喜久治1
所属機関: 1国立療養所東京病院
ページ範囲:P.1693 - P.1694
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いうまでもないことだが,臨床医学とは病気を治す学問ではなくて,病人を治す学問である.ことに慢性疾患を扱つてみると,この感じはひしひしと身に迫るのだが,手術が医療行為の主要部分を占める外科医の中には,手術さえ上手に行なえば能事終れりとする人がなくもないようである.結核のような慢性の感染症がいい例だが,手術は治癒のスタートである.断じて治療の終点ではない.気管支拡張症の外科にしても,心理的な接触・精神的な指導が伴わなければ医療は完成しない.そこで患者は新興宗教に逃げこんでしまう.
いうまでもないことだが,臨床医学とは病気を治す学問ではなくて,病人を治す学問である.ことに慢性疾患を扱つてみると,この感じはひしひしと身に迫るのだが,手術が医療行為の主要部分を占める外科医の中には,手術さえ上手に行なえば能事終れりとする人がなくもないようである.結核のような慢性の感染症がいい例だが,手術は治癒のスタートである.断じて治療の終点ではない.気管支拡張症の外科にしても,心理的な接触・精神的な指導が伴わなければ医療は完成しない.そこで患者は新興宗教に逃げこんでしまう.
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