文献詳細
文献概要
外科病理アトラス
肺化膿症および肺真菌症
著者: 鈴木千賀志1
所属機関: 1東北大学
ページ範囲:P.1713 - P.1718
文献購入ページに移動Ⅰ.肺化膿症
肺膿瘍は,ブドウ球菌,連鎖状球菌,肺炎球菌,フリードレンデル肺炎桿菌などによつておこり,こわれた肺組織,滲出液,多核白血球,リンパ球,大単核細胞およびこれらの残骸から成る単純な膿瘍であり(非腐敗型),肺壊疽は,肺組織がこわれて液状壊死に陥つたもので,主として紡錘桿菌,スピロヘータなど口腔内に常在する腐敗菌の混合感染によつておこり,喀痰は悪臭を放ち,放置すると数層に分離すること(腐敗型)が特長とされた。これらの発生経路は,直達性や血行性感染のものもあるが,口腔または鼻腔内細菌の吸引による気管支の栓塞,閉塞および肺感染による壊死によつておこるものが多く,かつこれら両者の区別が明らかでない場合が多いので,今日では「肺化膿症」の総称名で呼ばれるようになつた.
肺膿瘍は,ブドウ球菌,連鎖状球菌,肺炎球菌,フリードレンデル肺炎桿菌などによつておこり,こわれた肺組織,滲出液,多核白血球,リンパ球,大単核細胞およびこれらの残骸から成る単純な膿瘍であり(非腐敗型),肺壊疽は,肺組織がこわれて液状壊死に陥つたもので,主として紡錘桿菌,スピロヘータなど口腔内に常在する腐敗菌の混合感染によつておこり,喀痰は悪臭を放ち,放置すると数層に分離すること(腐敗型)が特長とされた。これらの発生経路は,直達性や血行性感染のものもあるが,口腔または鼻腔内細菌の吸引による気管支の栓塞,閉塞および肺感染による壊死によつておこるものが多く,かつこれら両者の区別が明らかでない場合が多いので,今日では「肺化膿症」の総称名で呼ばれるようになつた.
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