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新しい工夫
脳血管撮影装置の工夫—(そのⅡ.2方向同時撮影装置)
著者: 脇坂順一1 倉本進賢1 渡辺光夫1 高根重信2
所属機関: 1久留米大学医学脇坂外科 2北九州市立入幡病院放射線科
ページ範囲:P.1726 - P.1731
文献購入ページに移動脳血管撮影は種々の脳疾患の診断にあたり欠くことのできない重要な補助診断法の一つであり,これを行なうにさいし特別の場合を除いては正面および側面の2方向についておのおのの動脈像および静脈像の撮影が必要とされている.この場合,一般的には正面および側面の撮影についてはそれぞれ別々に造影剤の注入を行なつているのが現状である.しかし,造影剤の注入回数や注入量が増せばそれだけ副作用の発現も増加し被検者の苦痛も多くなり検者にとつても一層繁雑になるのは当然である.したがつて,脳血管撮影にさいして正面および側面像を1回の造影剤注入で同じ瞬間に両側同時に撮影できることを誰しも望むものであるが実際には散乱線などによる写真上の鮮鋭度の低下などの問題でかなり困難である.
われわれは数年来,脳血管撮影の普及を目的として種々の脳血管撮影装置の試作と製作を行なつて来たが,今回は2方向同時撮影装置の試作に成功し十分実用に供することができる段階に達したので報告する.
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