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海外だより
黒衣の女と白い砂(1)
著者: 桜井靖久1
所属機関: 1東京大学医学部医用電子研究施設
ページ範囲:P.1734 - P.1735
文献購入ページに移動 私が日本を離れて沙漠の国アラビアに飛びたつたのは昭和39年6月の盛夏だった.
目的は,マア海外旅行を加味した出稼ぎというところである.アメリカの一流大学に留学して生命の本質の奥儀を究めるなどというのとは違つてあまり威張れた目的ではない,どちらかというと不純な動機である.帰国してからもう半年以上経つが海外旅行というものは結婚と似ているなと思う.一度もやらないと何となく欲求不満を感じるし経験してしまえば落ちつく.
目的は,マア海外旅行を加味した出稼ぎというところである.アメリカの一流大学に留学して生命の本質の奥儀を究めるなどというのとは違つてあまり威張れた目的ではない,どちらかというと不純な動機である.帰国してからもう半年以上経つが海外旅行というものは結婚と似ているなと思う.一度もやらないと何となく欲求不満を感じるし経験してしまえば落ちつく.
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