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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻2号

1965年02月発行

文献概要

特集 外科と内分泌・2

外科領域の蛋白合成ホルモン

著者: 小出来一博1 藤森顕1

所属機関: 1順天堂大第一外科

ページ範囲:P.186 - P.190

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はじめに
 Androgenは男性ホルモン作用の他に,N代謝にも関与することは古くから知られていたが1),1936年Kochakian & Murlin2)は去勢犬に男子尿エキスを注射し,脂肪代謝が上昇し蛋白代謝および糖代謝が低下し,尿中N排泄の減少が起こることからAndrogenには窒素蓄積作用のあることを発表した.
 またAndrogenが人体において同様な作用のあることは,1937年Kochakian3),1938年Ken-yon4)等によつて認められており,実際の臨床的応用は欧米では1938年頃,本邦では1952年頃より企てられてきた.しかしながらAndrogenのanabolic effectを期待して使用する場合,長期かつ大量を必要としたために,男性化作用,水分貯留,肝障害などの厄介な副作用をともなう場合が多かつた,その後,これら副作用が少なく,ana-bolic effectの強いsteroidが数多く合成されてきた.ことにanabolic作用(ラット肛門挙筋肥大効果)とAndrogenic作用(副性器肥大効果)とを分離して知る方法5)6)が案出され,各種anabolicsteroidのscrceningに極めて便宜となつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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