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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻3号

1965年03月発行

文献概要

論説

外科的黄疸における閉塞部位決定に関する複合診断法

著者: 槇哲夫1 佐藤寿雄1 三浦光恵1

所属機関: 1東北大学槇外科教室

ページ範囲:P.285 - P.297

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Ⅰ.まえがき
 黄疸患者の治療にさいして,まず第1に知りたいことは,その黄疸が内科的なものか,外科的なものかということであろう.最近は新しい肝機能検査がつぎつぎと考案されて広く用いられるようになつてから,黄疸の鑑別診断も従来より一段と容易となつた感がある.しかしながら,臨床経過も極めてまぎらわしく,また,検査成績より判定しようとしても,いずれに該当させるべきか苦慮するようなデータに遭遇する場合も決して少なくはない.さらに,外科的黄疸としても,良性か悪性か,すなわち結石によるものか,癌腫によるものかの判定は必ずしも容易であるとは言い切れない.このような場合,最近は経皮的経肝性胆道造影法が行なわれるようになつたが,本法についての教室の経験は,佐藤(寿)ら1)が報告したごとくである.さらにわれわれは,閉塞部の性状を知るのみならず,術前にその発生部位を判定しようとして,1)十二指腸液内膵酵素活性値の測定による膵外分泌機能検査法,2)経皮的経肝性胆道造影法および3)経脾的門脈撮影法の3検査法を行なつている.これを,われわれは,『複合診断法』と呼んでいるが,この検査法により,閉塞部の性状,発生部位のみならず,腫瘍の切除可能性をも術前に判定しうるものと考えている.以下今日までの検査症例を中心に,本法について述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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