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論説
動脈閉塞性疾患におけるプラスミンの消長について
著者: 高橋雅俊1 工藤武彦1 古川欽一1 島崎和郎1 橋本晴雄1 藤田哲弥1 石井定美1 山内正義1 斉藤浩司1
所属機関: 1東京医科大学外科
ページ範囲:P.317 - P.321
文献購入ページに移動閉塞性血管疾患の原因として血管壁の病変,血液凝固因子の変化,血流の遅延の3大因子はVirchowのtraid1)として古くから知られており,病理形態学的にもthromboangiitis obliterans,ar-teriosclerosis obliterans,cranial arteritis,periart-eritis nodosaなどの種々の因子によるものが記述されており,この中でもarteriosclerosis obliteransは外国に多く見られるが,本邦における中小動脈閉塞症はthromboangiitis obliteransの病型が多く,血管の炎症性機序や血栓形成の本態に関してはなお未解決な点が多く残されている.
1956年Astrup2)は線維素溶解現象と血管壁のatheroma硬化の発生に関して一連の関係を指摘して以来,血管の閉塞性疾患に関してこの方面の研究が注目されるようになつてきた.われわれは血液因子の障害を明らかにして本症の治療面を向上させるために当外科の心,血管患者66例を対象としplasminを中心とした一連の研究を行ない,動脈の閉塞疾患のplasminの消長に関し興味ある結果を得たのでここに報告する.
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