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論説
射創(penetrating wound)の治療について—Débridementを中心に
著者: 藤田五郎1
所属機関: 1自衛隊中央病院
ページ範囲:P.323 - P.327
文献購入ページに移動緒言
終戦以来,われわれの身辺からは戦傷という形での外傷は一応消えたけれども,社会における各種犯罪が兇悪化して銃火器のための事故が漸増してきている.直接犯罪に関係したものでなくても,銃器の暴発事故,工場における火薬などの爆発事故などは数多いし,これらの創傷は高速,低速の差はあつても一連の射創の形態をとつて現われる.
一方では"交通外傷"は時代の波にのつてその特性が広い立場から研究されて,それに対する取扱い方や治療方針も確立されつつあることは非常によろこばしいことである.このような交通外傷とは数のうえにおいて比較にならないけれども,これらの銃火器事故にもとずく外傷はやはりそれ独特の特性をもつているものであるので,この種の外傷患者の診療にあたつて最少限必要な事がらだけをわれわれの研究の一端に加えて述べることにしたい.
終戦以来,われわれの身辺からは戦傷という形での外傷は一応消えたけれども,社会における各種犯罪が兇悪化して銃火器のための事故が漸増してきている.直接犯罪に関係したものでなくても,銃器の暴発事故,工場における火薬などの爆発事故などは数多いし,これらの創傷は高速,低速の差はあつても一連の射創の形態をとつて現われる.
一方では"交通外傷"は時代の波にのつてその特性が広い立場から研究されて,それに対する取扱い方や治療方針も確立されつつあることは非常によろこばしいことである.このような交通外傷とは数のうえにおいて比較にならないけれども,これらの銃火器事故にもとずく外傷はやはりそれ独特の特性をもつているものであるので,この種の外傷患者の診療にあたつて最少限必要な事がらだけをわれわれの研究の一端に加えて述べることにしたい.
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