icon fsr

雑誌目次

雑誌文献

臨床外科20巻4号

1965年04月発行

雑誌目次

グラフ

胃癌の拡大根治手術

著者: 梶谷鐶 ,   高木国夫

ページ範囲:P.396 - P.402

 胃癌の根治手術は患著の全身状態のみならず,癌の性質,発性部位,進行程などによつて著しく左右されるが,私どもはこれを非定型的,定型的,拡大手術に大別している.
 定型的手術とは胃口側断端まで3〜5cm以上,十二指腸断端まで2〜3cm以上離して切離し,リンパ系については十二指腸,膵頭授動後,肝十二指腸靱帯,膵後部,腹腔動脈周囲リンパ節まで徹底的廓清をするにある.本術式は既に図説した.(外科診療,2:755〜773,1960),上部胃癌においては多くは胃の全剔出とその所属リンパ系ことに脾門,脾動脈沿線リンパ節の廓清(多くは膊剔膵尾側切除合併)をも行なうことはいうまでもない.

グラフ解説

超音波断層写真法による乳癌の診断

著者: 高橋勇 ,   高田貞夫 ,   伊藤久寿

ページ範囲:P.470 - P.471

 近年,乳癌に対する婦人の知識と関心が高まつてきたため,乳腺の腫瘤あるいは疼痛などの訴えをもつて診察を受ける患者が多くなつたが,われわれは,これら乳腺疾患患者に対して,視触診と共に幾つかの補助診断法を用いて良性,悪性の鑑別,手術適応の決定など術前診断の向上に努力している.補助診断法の一つとして超音波検査を行つているので,今回は超音波断層写真法による乳癌の診断について説明する.
 乳腺疾患患者に対する超音波断層写法の試みは昭和37年11月より現在までに総計198例を経験した.このうち病理組織学的に乳癌と確定診断されたものは36例で,これらの乳癌症例につき,悪性腫瘍が超音波断層写真法によつてどのような像を示すかを検討した.

座談会

血管外科の現況

著者: 織畑秀夫 ,   石川浩一 ,   和田達雄 ,   田中大平

ページ範囲:P.406 - P.414

 司会(織畑)本日は3人の先生方どうもありがとうございました.今日は血管外科の進歩という題で,いろいろお話をうかがいたいのです.主として大血管では和田先生に、末梢血管では石川先生に,冠血管については田中先生にそれぞれお話をしていただくつもりでおります.
 最初に皆さまに最近の動向といつたことを簡単にお話いただき,それからいろいろお話いただきたいと思います.まず大血管について和田先生に.

外科の焦点

動脈瘤性脳出血の外科

著者: 半田肇

ページ範囲:P.415 - P.426

はじめに
 脳動脈瘤性の出血と云えば,臨床的には大多数がクモ膜下出血の症状を呈するが,出血の部位から云えば,1)出血がクモ膜下腔にのみ限局するもの,2)まずクモ膜下腔に出血し,ついで脳実質内にも破れるいわゆる脳膜・脳内出血,および3)出血がまず脳実質内に起り,ついで脳膜に達するいわゆる脳内・脳膜出血の三つに大別出来る.
 2),3)の場合,すなわち脳内出血を合併する場合は,手術が唯一の治療法で,血腫除去後,動脈瘤の処置を行なう必要がある.これに対し,1)の場合の手術目的は,ほとんどが再出血を防止することにある.したがつて,この場合には当然手術の可否,手術時期,手術方法などが問題になる.

論説

下大静脈閉塞に対する外科的治療の検討

著者: 砂田輝武 ,   西純雄 ,   寺本滋 ,   江草重実 ,   和気秀文

ページ範囲:P.427 - P.432

 肝部下大静脈に閉塞がおこると臨床的に下肢の浮腫,静脈怒張,下大静脈圧の上昇などのほかに門脈圧亢進症状(肝腫大,腹水貯溜,脾腫,食道静脈瘤発生など)と肝機能障害がみられる,従来剖検によつてのみ発見された本症が近時は静脈造影法,肝生検法など診断技術の進歩によつて生前に確診を得ることが可能となり最近外科的治療の対象として関心がもたれるようになつてきた.本症はしばしば肝静脈閉塞を併発する場合が多いことは諸報告にみられる通りで,保存的に治療されると急性例は勿論慢性例においても予後不良なことは衆知のごとくであり,外科療法に依存する期待は大きい.しかしながら静脈閉塞部位の関係ならびに性状および豊富な副行路形成がみられることから決して容易な手術とは考えられず,いまだ治療術式も確立していない現状である.そこでわれわれは岡山大学砂田外科教室で施行した下大静脈閉塞6例の手術経験と文献報告から若干の考察を加え検討してみたい.

解離性大動脈瘤の手術と予後に対する検討

著者: 高橋雅俊 ,   工藤武彦 ,   古川欽一 ,   島崎和郎 ,   石井定美 ,   仲地紀仁

ページ範囲:P.433 - P.442

はじめに
 診断技術の向上によつて動脈瘤の発見率も近年次第に増加の傾向を示している.従来保存的治療が行なわれていた大動脈瘤疾患にも,ここ数年来人工代用血管の移植術が行なわれるようになつたが,解離性大動脈瘤は真性のそれに較べて自然死亡率,手術予後の点でも不良である.この理由は胸部に好発する病変部がかなり大であること,時には胸腹部大動脈に亘つており,諸臓器に分岐する動脈血行を不良にしていることから,手術時の大動脈血流遮断で副血行路からの下半身血流が極めて減少するので侵襲がそれだけ増加すること,また,縦隔静脈叢との剥離も困難で,大きな解離性動脈瘤では不測にも心臓を圧迫して心調律に悪影響がみられることもある.その他,真性動脈瘤を含めての一般的なpoor riskは高齢,高血圧,換気機能の低下,血管の脆弱などが挙げられる.解離性大動脈瘤は病状の急激な発展が特長でありLevinson1)によれば36%は48時間以内に死亡,37%が3〜60日間に死亡,僅かに25%がいわゆる慢性解離性大動脈瘤(healed dissecting aneurysma)として生存してるにすぎないと云われており,その発症発作と経過が劇的で狭心症ならびに,ほかの疾患と誤診され易く,外科治療は無論のこと,本邦でも剖見後はじめて本症と診断した報告で,少なくない2)-12)

下大静脈欠損症

著者: 田口一美 ,   松浦雄一郎

ページ範囲:P.443 - P.449

 今日のように心臓外科が発達し,循環器の診断技術,特に心カテーテル法,心臓造影法の確立されていなかつた頃においては,下大静脈欠損症の多くは,自覚症状,他覚症状を欠いでいるために生存時に診断を下すことは殆んど不可能であつたようである.そのため本症に遭遇する機会はきわめて少ないと考えられていた1)2)
 しばしば心カテーテル法,心血管造影が施行されるようになるにつれて,本症に遭遇する機会が多くなり,本症に関する報告も増加しつつある,下大静脈欠損症における下半身の静脈血は奇静脈ないし,半奇静脈を経由してなんら障害なしに心臓への還流が可能であつて,他に合併奇型を伴わない下大静脈欠損症の場合は臨床的にはそれ程意義はない.

脇坂外科教室における手術手後の検討—術後早期死亡の統計的観察

著者: 矢野博道 ,   山内胖 ,   中村康広 ,   永尾禎介 ,   秋吉平次郎 ,   大宣見肇

ページ範囲:P.451 - P.461

はじめに
 輓近,長時間に亘る安全な麻酔法の確立と大量出血に対する輸血液の確保ならびに術前・術後療法,抗ショック療法,心庇護法等の進歩に援けられて,外科的療法は劃期的発展を遂げつつある.しかしながら,外科的治療を要する患者の中にはpoor riskで,僅かな侵襲によつても致死的な合併症を惹起する可能性のあるものがあり,また,時に過大な手術的侵襲が加えられて,術後間もなく不幸な転帰をとる患者のあることもまた事実である.
 われわれは,種々の疾患に対する外科的侵襲の適応の選定と術後重大合併症に対する再認識の資料にと思い,教室における過去約10年間の術後早期死亡例について統計的な観察を行つたので,その概略を報告し,諸賢の御参考に供する次第である.

後腹膜腫瘍

著者: 浅倉義弘 ,   高橋希一

ページ範囲:P.463 - P.468

はじめに
 後腹膜腫瘍は,Morgagniにより最初に記載されたと云われているが,本腫瘍を初めて定義したのはLobstein (1829)で,彼はこれを"横隔膜から骨盤無名線に至る後腹膜腔に発生し,後腹膜部に存在する諸臓器と関係のない腫瘍"と定義した.以来,本腫瘍の報告は内外ともにかなりみられるが,それでも数多い疾患ではなく,本邦ではまだ300例に達していない.われわれは最近3例の後腹膜腫瘍を経験したので,その概要を報告するとともに,東北大学第二外科における後腹膜腫瘍について集計的考察を加え報告する.

カンファレンス

縦隔洞腫瘍・上大静脈狭窄

著者: 小島憲 ,   平野謙次郎 ,   林豁 ,   宍戸隆典 ,   布施為松 ,   上野幸久 ,   藤田五郎 ,   太田怜 ,   森永武志 ,   隅越喜久男 ,   武田定衛

ページ範囲:P.477 - P.481

 藤田 ただ今から第260回のCPCを行ないます.外科の武田医官,現病歴をまず説明してください.
 武田 患者は,小○昭○氏,35歳の会社員です.主訴は顔面の浮腫と軽い呼吸困難,家族歴には特別のものはありませんが,既往歴としては,幼児期に気管支喘息,18歳で腎炎,24歳のとき肺炎を患つているほか,28歳で虫垂切除術をうけております.タバコは1日約20本,酒は約2合ていどを嗜みます.

講座 境界領域

骨転移癌のレ線像と組織像

著者: 伊丹康人 ,   赤松功也 ,   高槻先歩

ページ範囲:P.482 - P.490

はじめに
 転移性骨癌は一般に考えられているより,かなり多いものである.40歳以上の骨腫瘍をみたばあいは,まず転移性骨癌と考えてよい.しかも,転移巣から逆に原発巣を知ることも少くない.しかし,ときには,組織的に検索しても,その未分化像のために原発巣が不明の場合もある.また,火もとが小さくて解剖所見でも判明しないことすらある.

重症筋無力症の麻酔

著者: 尾山力

ページ範囲:P.491 - P.497

Ⅰ.重症筋無力症と胸腺腫との関係
 重症筋無力症のうち,80%は胸腺になんらかの異常があるとOsserman20)(1956)は主張し,本症の15〜30%は胸腺腫を有し,胸腺腫の30〜75%は本症であるとしている,一方Harrison12)(1961)も本症の15%は胸腺腫を有し,残りのうちの約80%はたとえ肉眼的に正常に見えても病理組織的には異常があるとしている.なお最初の胸腺剔除術は1911年Sauerbrukにより甲状腺中毒症でかつ重症筋無力症の患者に行われ,効果をあげた.

手術手技

急性血栓性静脈閉塞の手術的療法

著者: 四方淳一 ,   浮島仁也 ,   高橋正樹

ページ範囲:P.499 - P.503

はじめに
 急性血栓性静脈閉塞症はわれわれ腹部外科医にとつて無関心でいられない疾病の一つである.また静脈閉塞後遺症は経済的にも社会的にも大きな問題である.
 最近,われわれは産後に腸骨・大腿静脈の急性血栓性閉塞を起して来院した症例に緊急手術を行つて血栓を除去し,術後の経過が良好であつたので,この症例を中心として急性血栓性静脈閉塞症の積極的手術療法について論じてみよう.

外国文献

白い肝臓/手術不能の肺癌

ページ範囲:P.503 - P.503

 南阿Johannesburgで,低血糖・昏睡・ケイレンが突然襲つて多くは死亡する子供の病気があり,代謝性アシドージス(尿毒症・高Na血も)を伴い,肝に高度の脂肪変性があるそうである.この三主徴が特色で,Utian,Wagner & Sichel (Lancet2:1043,1964)はTransvaalMem.Hosp.(白人のみ収容)で14名の白人小児にこの疾患を見た.上気道感染で発病するので感染症が原因の一部をなすらしいが,中毒・低栄養・代謝異常・内分泌異常はないそうである.うち11名死亡.生存した3名のうち2名は永久的の脳傷害を残した.死亡者は人院した数時間内に死亡している.剖検した肝は脂肪変性つよく肉眼的に白く見える.脳は浮腫,ネウロン変性,腎は尿細管変性,心筋は糖原消失.ビールスは糞から2名のみCoxsackie Aとrenovirusとが証明されたのみ.JamaicaにJamaikan vomiting sicknessというのがあつて似ている.Reye(Lancet2:749,1963)によると世界各地の報告を通じ,他に23例,同様の報告があるという.してみると、世界各地にありうるのかもしれない.

実地医家の診療シリーズ・4

下腹部腫瘍

著者: 長洲光太郎

ページ範囲:P.504 - P.507

A.廻盲部腫瘤
 自発痛,熱発,白血球増多,核像左方推移などの急性炎症症状を伴なつて,局所に圧痛のある腫瘤をふれれば,そのほとんどすべてが虫垂炎起原の炎症な腹瘤である.この点については次の2点を特に強調するにとどめよう.

診断のポイント・3

腹膜炎の種々相

著者: 四方淳一 ,   高橋正樹 ,   山上明倫

ページ範囲:P.508 - P.510

 四方 本日は消化管穿孔による急性汎発性腹膜炎の診断について腹部単純レントゲン写真を中心にディスカッションをしたいと思います.

随筆

それからそれ(その4)—転校生

著者: 青柳安誠

ページ範囲:P.512 - P.514

 十数年間父と別れて郷里の秋田市に祖父母と共に住んでいたわれわれ兄妹4人と母が,また父と生活をするために上京したのは,大正3年8月である.私は秋田中学第3学年の一学期を終えて東京に出たのであるが,つづいて二学期から入学しなければならない学校を選ばなければならなかつた.
 といつても,東北の秋田におつたわれわれには,東京にどんな中学校があるかなどは知らなかつたし,また底ぬけのリベラリストでもあつた父には,息子の中学校のことで頭をなやますようなことは,考えられもしなかつた.ところが,東京に着いて,伯父が四谷に探しておいてくれた居宅に落ちつき,4,5日たつと,その伯父が私のもとにやつてきて『今日,市ケ谷加賀町を通つたら,偶然にも東京府立第四中学校という学校の門前に,第3学年への補欠入学の募集公告が出ていた.併し,志願者の資格として前学校の成績が5番以内でなければならない,としてあるが,お前はどうだ.もしその資格があるなら,府立でもあるし願書を出してみたらどうだろう』というので,私としては府立四中がどんな性恪の学校かも全然知らずに願書を呈出してみたのである.

症例

腹部大動脈瘤破裂について

著者: 間野清志 ,   片岡和男 ,   山口迪哉 ,   稲田潔

ページ範囲:P.515 - P.519

 動脈瘤といえば梅毒性と考えるのが従来の常識であるが,腹部大動脈瘤は今日ほとんどすべて動脈硬化性病変によるもので,その発生部位も腎動脈より下位にかぎられている.したがつて根治手術も胸部大動脈瘤に比べると手技的には比較的容易で,合併症のない場合手術の安全性は極めて高く,欧米ではすでに一般外科の領域にいれられるぐらいひろく行われている.しかし動脈瘤が破裂した場合は事情はことなり,治療上種々の困難を伴い予後もまた不良である,最近本邦でも腹部大動脈瘤の手術例が増加しつつあるが,破裂例の報告はまだ少ない.私らはさきに腹部大動脈瘤の診断確定後経過観察中に破裂し死亡した症例を経験したが,最近67歳の女子で破裂症状の発現後14時間で救急手術を行い全治させえた1例を経験したので,これらの症例を報告し一般の参考に供したい.

幼児腸間膜脂肪腫の1例

著者: 加藤出 ,   宮路浩行 ,   佐藤昌 ,   宗像敬明

ページ範囲:P.519 - P.523

 腹腔内に発生する純脂肪腫は一般に比較的まれな疾患であるが,とくにそれが腸間膜に発生することは甚だ少ないといわれている.最近われわれは,腹痛および嘔吐を主訴として来院した幼児について諸種の検査を行つた結果,「腸間膜腫瘍の捻転」を疑い手術をおこなつたところ,小腸間膜より発生した腫瘤を認めたので,これを剔出し治癒せしめえたが,別出腫瘤の病理組織学的検索で脂肪腫なることを確認しえた,めずらしい症例を経験したのでここに報告する.

絞扼性イレウスに対する小腸広範切除の1例

著者: 紙野建人 ,   小池誠雄 ,   奥野匡宥 ,   中村資朗 ,   橋村勇

ページ範囲:P.523 - P.526

 胃癌のため胃亜全剔術を施行してある患者が絞扼性イレウスを発来したため,小腸の広範な切除を実施した症例を報告する.

十二指腸滑平筋肉腫の1例

著者: 加藤繁次 ,   宇都宮利善 ,   川村顕 ,   細田泰弘

ページ範囲:P.526 - P.529

 消化管に原発する,悪性腫瘍中,癌はしばしば我々外科医にとり遭遇する疾患であるが,肉腫によるものは少なく,しかも滑平筋肉腫は胃に原発することが多く,十二指腸に発生することはきわめて稀である1).われわれは最近十二指腸に原発した滑平筋肉腫の1例を経験し根治手術を行なつたので症例を報告し,若干の文献的考察を加えたい.

胆道疾患時のシヨツク様症状について

著者: 宮崎五郎

ページ範囲:P.529 - P.531

 私共が日常取扱う胆道疾患の症例ではたとえ術前機能検査で軽度の肝障害が認められ,あるいは術中採取された肝片の組織検査で異常所見を見出することは稀でないにせよ,腹部外科一般に通ずる術前の準備および処置で処理し得るのを常とする.しかし稀には著明な全身症状を呈し不良の転帰をとる場合があるが,その原因のすべてを肝機能障害に帰し,肝庇護に向つて努力するのみでは解決されないと考えられるので経験例を挙げて考察し,大方の御教示を仰ぎたいと考える.

MEDICAL Notes

oral-facial-digital syndrome,他

ページ範囲:P.532 - P.533

 Papilon-Leage (Actualit.odontost.25:7,1954)がはじめて二裂舌,下顎破裂,口唇上顎破裂.脂奇形を呈した症候群として記載,Ruess(Pediat.29:985,1962)がoral-facial-digital syndromeと名命し,Gorlin(New Engl.J.Med.265:150,1961)がorodigitofacialdysostosisと命名した.Papilon-Leageより古く本症が気づかれていた形跡もあるが確実でまない.Papilon-Leage症例は1家8名の女性にのみあらわれ,したがつて,不完全劣性の遺伝疾患と考えられた.Gorlin (NewEngl.J.Med.264;486,1961)は1家3代にわたる12名の家族で,女4名,男2を,つまり女:男=2:1という本症罹患を報じている.それで男に本症が少いのは,男にとつては"lethal effect"が潜在していると見ている.つづいてGorlin (J.Pediat.61:520,1962)は18例のすべて.女の症例を追加している.これでGor-linには女22例の観察があるわけである,Ruess (前出)は6家系(各無関係)について女のみ15例を見ており,やはり男にはlethal traitがあるとしている.

基本情報

臨床外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1278

印刷版ISSN 0386-9857

雑誌購入ページに移動

バックナンバー

78巻13号(2023年12月発行)

特集 ハイボリュームセンターのオペ記事《消化管癌編》

78巻12号(2023年11月発行)

特集 胃癌に対するconversion surgery—Stage Ⅳでも治したい!

78巻11号(2023年10月発行)

増刊号 —消化器・一般外科—研修医・専攻医サバイバルブック—術者として経験すべき手技のすべて

78巻10号(2023年10月発行)

特集 肝胆膵外科 高度技能専門医をめざせ!

78巻9号(2023年9月発行)

特集 見てわかる! 下部消化管手術における最適な剝離層

78巻8号(2023年8月発行)

特集 ロボット手術新時代!—極めよう食道癌・胃癌・大腸癌手術

78巻7号(2023年7月発行)

特集 術後急変!—予知・早期発見のベストプラクティス

78巻6号(2023年6月発行)

特集 消化管手術での“困難例”対処法—こんなとき,どうする?

78巻5号(2023年5月発行)

特集 術後QOLを重視した胃癌手術と再建法

78巻4号(2023年4月発行)

総特集 腹壁ヘルニア修復術の新潮流—瘢痕ヘルニア・臍ヘルニア・白線ヘルニア

78巻3号(2023年3月発行)

特集 進化する肝臓外科—高難度腹腔鏡下手術からロボット支援下手術の導入まで

78巻2号(2023年2月発行)

特集 最新医療機器・材料を使いこなす

78巻1号(2023年1月発行)

特集 外科医が知っておくべき! 免疫チェックポイント阻害薬

icon up
あなたは医療従事者ですか?