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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻4号

1965年04月発行

文献概要

論説

下大静脈欠損症

著者: 田口一美1 松浦雄一郎2

所属機関: 1広島市民病院心臓外科 2広島大学医学部外科学第1教室

ページ範囲:P.443 - P.449

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 今日のように心臓外科が発達し,循環器の診断技術,特に心カテーテル法,心臓造影法の確立されていなかつた頃においては,下大静脈欠損症の多くは,自覚症状,他覚症状を欠いでいるために生存時に診断を下すことは殆んど不可能であつたようである.そのため本症に遭遇する機会はきわめて少ないと考えられていた1)2)
 しばしば心カテーテル法,心血管造影が施行されるようになるにつれて,本症に遭遇する機会が多くなり,本症に関する報告も増加しつつある,下大静脈欠損症における下半身の静脈血は奇静脈ないし,半奇静脈を経由してなんら障害なしに心臓への還流が可能であつて,他に合併奇型を伴わない下大静脈欠損症の場合は臨床的にはそれ程意義はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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