icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻4号

1965年04月発行

文献概要

症例

腹部大動脈瘤破裂について

著者: 間野清志1 片岡和男1 山口迪哉1 稲田潔2

所属機関: 1岡山済生会総合病院外科 2岡山大学医学部砂田外科

ページ範囲:P.515 - P.519

文献購入ページに移動
 動脈瘤といえば梅毒性と考えるのが従来の常識であるが,腹部大動脈瘤は今日ほとんどすべて動脈硬化性病変によるもので,その発生部位も腎動脈より下位にかぎられている.したがつて根治手術も胸部大動脈瘤に比べると手技的には比較的容易で,合併症のない場合手術の安全性は極めて高く,欧米ではすでに一般外科の領域にいれられるぐらいひろく行われている.しかし動脈瘤が破裂した場合は事情はことなり,治療上種々の困難を伴い予後もまた不良である,最近本邦でも腹部大動脈瘤の手術例が増加しつつあるが,破裂例の報告はまだ少ない.私らはさきに腹部大動脈瘤の診断確定後経過観察中に破裂し死亡した症例を経験したが,最近67歳の女子で破裂症状の発現後14時間で救急手術を行い全治させえた1例を経験したので,これらの症例を報告し一般の参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?