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重篤患者の初期全身管理—救急疾患
著者: 橋本義雄1 藤田五郎2
所属機関: 1名古屋大学 2自衛隊中央病院
ページ範囲:P.620 - P.622
文献購入ページに移動1.現場に居合わせた人は時間を記録する.まず患者の両脚を挙上し,できたら頭部を下げる.3回心臓部を強く打ち,咽頭部を清拭し,口から呼気を吹き込む,患者は堅い床に仰臥させ,躊躇なく非開胸心マッサージを行う,大体1分間に60回の割で体重をかけるように強く圧迫する.同時に5回毎に1回口から口への人工呼吸を行い肺の換気をはかる.この間に救急用具を整える.次に気管内チユーブを入れ,純酸素でベローまたはバックを用い換気する.心マッサージを続け心電図をつけ,末梢搏動,瞳孔,胸部運動などを観察する.こうして脈搏を触れ,換気も十分ならばそのまま30分間続ける.もし自然搏動が現われない時には開胸し,心膜を開き,直接心マッサージを行う.再び観察して脳への循環が回復した時にはそれ以上あわてないこと.
2.脳への循環が回復しないときにはまず無収縮が心室細動かを鑑別する.この両者は互に交替することがある.無収縮の時はマッサージを続け,カウンターショックはかけない.5〜10ccの1%塩化カルシウムも心室内,心房内,または大血管内に注射し,反応がなければ5〜10ccの1/10.000アドレナリンを用いる.純酸素で十分換気をしつつ強くマッサージを行う.これでも反応がなければペースメーカーを用いる,もし心室細動がある時はマッサージを続けながらカウンターショックの準備をする.
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