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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻5号

1965年05月発行

文献概要

グラフ

高圧酸素チェンバー—がんセンター・東京医科大学

著者: 梅垣洋一郎1 三宅有2

所属機関: 1がんセンター放射線科 2東京医科大学麻酔科

ページ範囲:P.628 - P.631

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ポータブルタイプ高圧酸素チェンバー
 高圧酸素チェンバーを用いた治療は,治療医学上での新らしい進歩をもたらしつつある様である.心臓血管外科,冠状動脈疾患,嫌気性菌感染の治療,一酸化炭素中毒の治療,放射線治療等にその効果が知られている.図示した高圧酸素チェンバーは,ポータブルダイプで,チェンバー部分がアクリル板で出来ているので患者の監視や放射線治療に最適である.酸素圧は気圧まで上げられ,加減圧の速度は任意に調整(最高8ポンド/分)出来,プリセットされた圧力に達すると自動的に加圧が止るが,換気はどの圧力にもかかわらず99l/分で行われる様調節されてある.スムースな加減圧が可能である事が,患者の耳痛や不安を除くのに最も大切であるのでその点このチェンバーは有用である.一方安全,操作の簡便さをはかつている為に,心電図や4つのコネクターを有する以外にはチェンバー外からの操作は出来ない,たとえば,チェンバー内で麻酔をかけたり,注射したりする操作は望めない.この目的には大きな酸素室か又は別個のデザインによるチェンバーが必要であろう.しかし,ポーダブルという事,放射線治療での利用にはこれで十分である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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