臨床外科20巻5号

1965年05月発行

カンファレンス

シルダー病か脳腫瘍か

著者： 小島憲¹ 松田源彦² 福田圀如³ 上野幸久⁴ 松見富士夫⁵ 太田怜⁴ 隅越喜久男⁶ 堀之内宏太⁷ 森永武志⁴ 原田敏雄⁸ 緒方鍾⁹ 伊勢泰⁵ 芳賀稔⁴ 森松義雄¹⁰ 有馬正高¹¹

所属機関： ¹自衛隊中央病院 ²自衛隊中央病院診療4部 ³自衛隊中央病院呼吸器科 ⁴自衛隊中央病院内科 ⁵自衛隊中央病院小児科 ⁶自衛隊中央病院研究部2課 ⁷自衛隊中央病院脳神経外科 ⁸自衛隊中央病院神経科 ⁹前：自衛隊中央病院前眼科 ¹⁰前：自衛隊中央病院前神経科 ¹¹東邦大小児科

ページ範囲：P.632 - P.636

　森永（司会）　只今から第259回CPCを行います．今回は小児科の方からSchilder病の疑いという珍らしい症例が出されましたので内科は勿論，外科の方も脳腫瘍との鑑別等で活発な討議をお願いします．では担当医の伊勢医官に家族歴，既往歴を伺いましよう．
　伊勢　患者は6歳の男児です．両親は，血族結婚ではなく，健在，同胞2人，共に健康で，家族に遺伝的神経疾患はありません．既往歴では，昭和36年に麻疹に罹患しましたが普通の経過をとつて治癒した他，特に申し上げることはありません．ソーケワクチンの接種を受けていますが，狂犬病などの特別なワケチンの接種は受けておりません．