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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻6号

1965年06月発行

文献概要

他科の知識

医療用リニアックについて(2)

著者: 梅垣洋一郎1

所属機関: 1国立がんセンター放射線科

ページ範囲:P.752 - P.754

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 電子加速装置としてのリニアックの原理について前号に述べた.放射線治療装置としては加速せられた電子をそのまま取り出して使用するか,あるいはこれをX線に変換して使用するかが重要な問題である.電子線をそのまま治療に利用するためには少なくとも15MeV以上のエネルギーを必要とするので,現在の機構のリニアックでは装置が巨大なものになり,実用装置としては問題が多い.電子線治療用にはベータトロンの方がコンパクトであり,高いエネルギーまで加速できるので当分の間はベータトロンが主になろう.しかし現在は研究の段階であるが,電子線を電磁偏向させる技術が進歩すれば,発生装置自体はかなり大きくても臨床に便利な機械が作れる見込がある.したがつて近い将来には電子線,X線兼用のリニアックが治療の主力になる可能性がある.
 X線を発生させて治療に用いる場合には6〜8MVの電圧で十分であつて,それ以上の電圧にしても効果は大して変りがない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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