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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻6号

1965年06月発行

文献概要

他科の意見

婦人科領域で感じること(2)

著者: 真田幸一1

所属機関: 1日立綜合病院産婦人科

ページ範囲:P.755 - P.756

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急性虫垂炎の手術
 妊娠時の開腹手術一般に関することの他,とくにふれたいと思うのは,急性虫垂炎と妊娠との合併についてである.
 妊娠急垂炎の手術は,恐らく外科の手によつて行なわれることのもつとも多い境界領域的手術であろうが,この場合は妊娠のために子宮が大きさを増しているので,虫垂そのものが著るしく転位している可能性があることを,第一に頭に入れておかねばならない.したがつて腹壁からの触診を慎重に行ない,直接の圧痛点によつてあらかじめ虫垂の位置の見当をつけておき,開腹は原則としてある程度容易に上下に延長できるPara-rektals-chnittによるべきである.Wechselschnittでは,開腹後に虫垂の転位が判明した時,そのまま手術創を自由に延長しにくいので,どうしても無理な操作を加えることになつてしまい,これが虫垂切除術そのものの過程におよぼす影響は無視し得ても先に述べたような意味で妊娠の保全に万全を期する上からは,明らかに不利な結果を招くおそれがあるわけである.なお,妊娠急垂炎の診断上の問題として,妊娠時には通常,10,000前後までの非炎症性白血球増多症が見られることを忘れてはならない.また,妊娠9ヵ月以後における虫垂炎では,同時に帝王切開を行なうべきか否かといつた問題がからんでくるので,でき得る限り産婦人科医の立会いを得ることが望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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