文献詳細
文献概要
機械の使い方
食道鏡の使い方
著者: 稲葉英造1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部第一外科学教室
ページ範囲:P.775 - P.780
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
食道鏡は現在に於いても殆んどが耳鼻科で使用されている.しかし胃疾患の中でもとくに噴門部疾患には食道鏡が絶対に必要であり,食道鏡と胃鏡の併用によつてはじめて噴門疾患が明らかにされることは,私が過去数年間力説してきたところである.たとえば噴門痙攣症は食道側より噴門を観察する必要があり,噴門癌の85%は癌腫瘤のため噴門が狭窄し,胃内まで胃内視鏡を挿入できない現状であり,上部消化管出血においては食道静脈瘤,食道潰瘍,食道炎等食道疾患をまず除外しなければならないからである。近年胃カメラと胃ファイバースコープの反転法によつて噴門部の観察が行なわれているが,胃内から噴門部を見るだけでなく,噴門部を食道側より観察することの重要性を重ねて力説するものである.
食道鏡は現在に於いても殆んどが耳鼻科で使用されている.しかし胃疾患の中でもとくに噴門部疾患には食道鏡が絶対に必要であり,食道鏡と胃鏡の併用によつてはじめて噴門疾患が明らかにされることは,私が過去数年間力説してきたところである.たとえば噴門痙攣症は食道側より噴門を観察する必要があり,噴門癌の85%は癌腫瘤のため噴門が狭窄し,胃内まで胃内視鏡を挿入できない現状であり,上部消化管出血においては食道静脈瘤,食道潰瘍,食道炎等食道疾患をまず除外しなければならないからである。近年胃カメラと胃ファイバースコープの反転法によつて噴門部の観察が行なわれているが,胃内から噴門部を見るだけでなく,噴門部を食道側より観察することの重要性を重ねて力説するものである.
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