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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻6号

1965年06月発行

文献概要

トピックス

新しい麻酔"Neuroleptanalgesia"

著者: 岡田和夫1

所属機関: 1東京大学麻酔学教室

ページ範囲:P.784 - P.785

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 ベルギーの麻酔医Mundeleer, de Castroははじめて1959年のフランス麻酔学会で従来の麻酔法とは異なつた新しい麻酔法として"Neurolept-analgesia"を紹介した.この考え方は従来の全身麻酔剤は大かれ少なかれ細胞のエネルギー代謝に影響し代謝性アチドーシスを起し,また中枢神経細胞にも可逆性の紬胞毒の作用を及ぼしていると考え,Analgetica, Neuroleptica,筋弛緩剤を組合せて従来の全麻にとつてかわろうとするものである.すなわちNeuroleptanalgesiaはNeurolepticaとAnalgeticacの2種の異なつた薬剤の組合を静注し麻酔を得る方法である.そしてバルビトレート,吸入麻酔剤は使用しない.筋弛緩剤は必要に応じて投与するが,調節呼吸が容易に過呼吸だけでも行える.後述のMineralisationの特異な状態を保つというのが特長であろう.
 ヨーロッパではベルギーを中心にして広く採用され,この数年にLondon, Wien, Ostonde, Bre-merでこの麻酔法のSymposiumが開かれ,Mun-deleerは8000例の臨床経験を報告している.フランスではSabathié,Delignéの多くの報告があり,北米ではDrippsが報告し,最近アメリカ大陸でも大いに注目されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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