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文献概要
外国雑誌より
Hg203とHg197を用いた脳走査
著者: 渋沢喜守雄1
所属機関: 1国立王子病院
ページ範囲:P.812 - P.812
文献購入ページに移動 文献欄ですでに何回か紹介されたが,さらにchlormerodrin-Hg197を用いて脳腫瘍と腫瘍以外の頭蓋内疾患の診断に役立てた成績を紹介したい.非腫瘍にはPaul (J.Nucl.Med.4:1, 1963)がAs74,Aronow (Arch.Neurol.10:2181964)がCu64を用いたpositronbrain scanningを行ない,閉塞性脳血管傷害では40〜60%のpositivescanを得ている.diiodofluores-ceinを用いたものではSeaman(Radiol.62:30, 1954)50%の陽性率,RISAを用いたものでは血栓・梗塞などで大体60〜70%の陽性率になつている.非腫瘍にchlor-Hg203を用いた諸文献1962〜1964の統計では(Overton, M.C.:J.A.M.A.191:431,1965)positive scan 67%,equivocal l2%,negative 21%となる.硬膜下血腫,脳内血腫,脳膿瘍,脳血管異常などは80〜90%の高率で,したがつて診断的価値も高い.McAfee(Radiol.77:267, 1961)によると急性(2週以内)の脳血管閉塞ではCh-Hg203の陽性率が高く,数ヵ月以後では大部分が陰性であるという.
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