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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻6号

1965年06月発行

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外国文献

脱水,他

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ページ範囲:P.813 - P.817

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 どの位の水分が失われると脱水症状があらわれるか確実でない.Co11er (Ann.Suag.102:947, 1935)の古典的な報告では体重の6%失われると脱水症になるという,しかし,脱水症の最初の確実な症状は何かというとこれまた,確実でない.Lapides (J.A.M.A.191:413,1965)ははじめ40〜160kgの4名の患者で予報的にしらべて,大体3lの水分喪失で脱水症状があらわれることを確かめ,そこで,1500Cal, Na 68 mEq,水369ml/24hという脱水量を,52〜128kgの健康成人に与え連続5日観察した.BUN,血清滲透圧は第2〜3日に著明に増加,体重に連日漸減した.舌は第3〜5日,全例,薄くなり溝が多く皺だつた.皮膚turgidityは不定,渇は1例を除きき著明.血圧は不変,眼窩陥凹なし.3〜5日で舌に縦の溝がでるまでに3lの水分が失われている.したがつて3lの水分を失えばまづ最初に舌のturgidity減少,furrowないしfold出現という形で脱水症状があらわれる.この所見があれば,生食4容,1/6M乳酸ソーダ1容の混液3lを輸液するのがよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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