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外科の焦点
グラム陰性桿菌による術後感染症
著者: 石井良治1 石引久弥1 大井博之1 恒川陽1 中村泰夫1 内田博2
所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科学教室 2中検細菌科
ページ範囲:P.839 - P.845
文献購入ページに移動化学療法によつてもたらされた耐性菌問題と菌交代症は臨床上では感染症の病態の変貌と治療面における障害としてすでに注目されているところである.外科領域では優れた新抗生剤,特にペニシリナーゼの影響を受けにくい新合成ペニシリン群は耐性ブドウ球菌(ブ菌)感染症に対して威力を発揮していると云えよう.しかし,この反面現在までいわゆる弱毒性菌として臨床的に余り考慮されなかつた他の細菌のうちグラム陰性桿菌が次第に意義を持ち1)2),重篤な術後感染症を引き起こすケースが少なくない.われわれは術後感染症の検討を永年にわたり行なつて来ているが,最近術後に発生したグラム陰性桿菌敗血症を経験したのでこの問題の重要性を痛感している.そこで以下にわれわれの成績に基づいてグラム陰性桿菌による術後感染症の現況にいささか触れてみたいと思う.
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