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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻7号

1965年07月発行

文献概要

特集 術後感染症

開頭術の術後感染症

著者: 喜多村孝一1

所属機関: 1東京大学脳神経外科

ページ範囲:P.847 - P.851

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 外科的手術後に感染症を合併することは,たとえ身体のどの部の手術であろうと,忌むべきことである.とくに感染巣に対する手術でない限り,細心の注意のもとでの無菌的手術ならば当然避け得るものであるので,術後感染の合併は外科医の恥とも考えられる.
 術後感染が予後に重大な影響を及ぼすことは論をまたないが,とくに脳手術後の感染は,急性化膿性髄膜炎を惹起し,患者の生命をおびやかすのみならず,たとえ加療により治癒せしめても,髄膜の癒着,荒廃により水頭症,痙攣発作,視力障害などを後遺することがある.したがつて,開頭術に際してはとくに慎重に感染の予防に意を用い,仮りに術後感染を惹起した場合はできる限り早期に発見し適切な治療によつて感染の蔓延を防止しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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