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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻7号

1965年07月発行

文献概要

特集 術後感染症

空中細菌による手術野の汚染

著者: 長田博之1

所属機関: 1国立大阪病院外科

ページ範囲:P.877 - P.880

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 患者が療養する病院の環境のうち,そのすべてを病院に依存しなければならないものに手術室がある.この建前でゆくと,病院はこの室で手術に従事する人,手術を受ける人,さらにこの間にあつて手術の進行を介助する人などの立場からと,ここで使用されるものなどから,その設備と運用が考えられないと,手術操作の円滑な進行が妨げられ,時には,手術が巧みに行なわれても,その時あるいはそのあとで,不測の災がおこり,療養期間の延長・再手術・致命などをひき起こすことがある,患者の側からみた不測の災の一つに手術室での感染があるが,これを院内感染の一つに含めているのもこのような考え方によるものと思われる.
 手術室での感染の原因は複雑でいろいろな要素が含まれている.それには手術そのものと技術以外の要素,すなわち,手術材料・器械・器具・製剤・術者の手・手術野・水の滅菌または消毒と保全,使用の時の心構え,作業をする人の呼吸・衣服・毛髪・履物からの排菌,手術室の中の目につかない落ちついている塵埃と細菌,室内に浮遊している塵埃と細菌などがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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