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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻7号

1965年07月発行

文献概要

他科の意見

泌尿器科から外科への希望(1)

著者: 仁平寛巳1

所属機関: 1山口大学医学部泌尿器科学教室

ページ範囲:P.924 - P.925

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 泌尿器科というと直ちに連想されるのは皮膚科という言葉であろう.たしかに日本においてはすべて皮膚泌尿器科から分離して泌尿器科が新設されるという経過をとつている.ところがこの皮膚科と泌尿器科とは性格の全く異なる領域であり,両者は単に性病を仲介として結びつけられていたに過ぎないもので,泌尿器科の診療内容からいうと皮膚科よりは外科に関係が深い.すなわち尿路を含めた後腹膜腔と男子性器の疾患を対象とし,治療の手段として手術を多く必要とするので泌尿器外科といつた方がわかりやすいかも知れない.一般外科の中でも脳神経外科,心臓血管外科等と専門化されて来たように,泌尿器科は検査,診断,治療等において複雑な器具と高度に訓練された技術を必要とするがゆえに一般外科から分れて専門化されたものと考えている.実際欧米においては,泌尿器科が独立した診療科目となつていない病院ではUrological ClinicはSurgicalDepartmentの中の一つのDivisionとなつていて,日本式のDermato-urologyという診療科目はなく,これを言うと不思議な顔をされるそうである.
 ところで日本の現状は泌尿器科専門医の数が非常に少なく,大学病院以外では限られた少数の大病院に専門の泌尿器科が設けられているに過ぎない.そして大部分の病院では,この分野の疾患の診療は外科において行なわれているものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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