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アメリカのI.C.U.について
著者: 牧野永城1
所属機関: 1聖路加病院外科
ページ範囲:P.930 - P.931
文献購入ページに移動 米国の病院で過去5〜6年の間に急に盛んになってきたものにI.C.U.がある.筆者は米国で一般外科ついで胸部外科のレジデントをやるためいくつかの病院で勤務したが,その中で最も印象的なI.C.U.の運営を行なつていたのはDetroitのChildren's Hospital of Michiganだつた.病床数は300余りにすぎなかつたが,廻転率が早くミシガンの殆んど全部から珍しいまたは難治の小児患者が送られてくるので,小児疾患を勉強する者には宝庫のような観があつた.この病院の一角にベット10位をひとつの大きな部位に配置した所があり,ここにはI.C.U.と標札がでており,その横に看護婦が右示指でこちらを指さしている絵がでていて彼等特有のユーモアで"I See You!"と書いてあつた.しかしI.C.U.は実はIntensiveCare Unitの略で邦訳すると強化看護病棟とか濃厚看護病棟とかいうことになる.ここには科の如何を問わず,疾患の種類にかかわらずとにかく院内全部から重症の患者だけを集めてある.この部屋では各病床の間のスペースを大きくとつて働きやすいようにしてあり,各ベットごとに壁にはめこみの吸引パイプ,血圧計,流量計とネブライザー付きの酸素パイプ等がついていて,ゴム管さえつなけば吸引や酸素吸入が直ちにできる.
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