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麻酔後の肝壊死,他
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ページ範囲:P.962 - P.965
文献購入ページに移動 halothaneが普及してから麻酔後の肝壊死が再注目されてきた.Beecher (Ann.Surg.140:2,1954)の莫大な集計では麻酔死は1560回に1例となつているが,肝壊死による死は1例もなかつた.Brunson (New Eng.J.Med.257:52,1957)の剖検では3229麻酔死のうちに62例の肝壊死があつた.肝壊死がだんだんふえていることは世界共通だが,生検あるいは剖検によらないと,その確実なcriteriaがない点がこの方面の弱点である.Herber (Arch.int.Med.115:266,1965)は内科的立場でこの点を精査した.およそ800回のhalo麻酔に1例の肝死がおこり,13例の肝壊死を精査すると12例がhalo麻酔であつた(うち3例死亡).やはり諸検査上確実な診断法がなく,生検が最も確か.それで黄疸,肝胆道疾患,肝糖原減少のある患者にはhalo麻酔を避けるのが一番よい予防法であろう.術前,副腎皮質ホルモンは予防上完全ではないが,多少の庇護作用があるようだ.
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