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特集 癌手術例の検討
直腸癌術後5年生存例の検討
著者: 卜部美代志1 山本恵一1 中塚勝正1
所属機関: 1金沢大学医学部第一外科
ページ範囲:P.1047 - P.1053
文献購入ページに移動直腸癌の手術成績は他の臓器癌のそれに比較して良好である.それは直腸癌の病理学的特長に基づくものと考えられる.それでもなお,術後の局所再発は決して少なくない.したがつて私共はそれらの事態に鑑みて治療法の工夫をすべきである.
私共の教室の1965年3月現在における直腸癌症例は223例に達する.このうち,人工肛門造設術,診査開腹術および非手術の21例を除き,各種の根治手術の行なわれた症例は202例であり,切除率は90.6%となる.手術術式別では腹腔会陰合併術式が全期間を通じ最多数を占める,これに次ぐものは仙骨腹腔合併術式であるが,とくに,1960年以降において,私共は後に述べるような病理形態学的検索結果に基づいて,本術式を多く行なうようになつたのである.いま,これら直腸癌根治手術例について,手術死亡例および調査不能例を除いた158例を対象として術後成績を観察し,とくに,術後5年以上生存例において,その特長ともいうべきものについて検討した.ここにその大要を述べることにする.
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