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文献概要
診断のポイント・7
肝膿瘍と誤診された胃癌の肝転位
著者: 松林冨士男12 小金沢滋12 古井勇12 海老沢健二12 戸塚哲男12 佐藤薫隆12 加藤明彦12
所属機関: 1佼成病院外科 2日本医科大学
ページ範囲:P.1059 - P.1061
文献購入ページに移動加藤(内科受持医)主訴は咳嗽,弛張熱,右季肋部痛,羸痩です.家族歴では父が胃癌で死亡.現病歴は約3ヵ月前に発熱,咳嗽など感冒様症状があり"カゼ"の治療を受けていましたが主訴が改善されないので,第45病日目に当院内科を受診,胸部X線写真では左右に心臓が軽度に拡張している他は異常なく,血沈115mm/h白血球8,800血液像に異常なく顔面蒼白でしたが胸部,腹部の理学的所見では特に異常なく,とりあえず鎮咳剤と抗生物質を使用致しましたが約10日程して突然右季肋部の激痛を訴えるようになり,右季肋部は緊張強く圧痛著明で,X線上右横隔膜は前回より1.5肋間挙上し,主訴は漸次増悪し,第66病日目に内科に入院致しました.入院時,右季肋部から心窩部にかけて圧痛著明でした.諸検査の結果は,赤血球388万,血色素70%,白血球10,500,血沈128mm/h,便潜血はグアヤック(—),ベンチジン(±),血清蛋白7.7g/dl,A/G38.15/61.85,globurin α 21.52%,β18.61%,γ21.72%.Meulengracht 6,コバルト RO (3),BSP 30分値15%.電解質.Na 133.4mEq/l,K4.8mEq/l動脈血培養:72時間陰性でした.
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