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文献詳細

雑誌文献

臨床外科20巻8号

1965年08月発行

文献概要

トピックス

機械による心臓蘇生法—体外式心臓マッサージ機

著者: 桜井靖久1

所属機関: 1東京大学医学部医用電子研究施設

ページ範囲:P.1116 - P.1116

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 今世紀はじめから胸廓をリズミカルに圧迫して心停止後の血液循環を保とうとする試みがなされていた(1908年Pikeら).周知のように1960年Johns Hopkins病院のKouwenhovenらにより臨床的にその有効性が明らかにされた.これを体外(閉胸)式心臓マッサージと称している.胸骨下約1/3の部分を脊柱に向つて強く圧迫し心臓をマッサージすることによつて40〜70mmHg,時には100mmHg以上の血圧をうることができる.開胸して行なう直接心臓マッサージと違つて外科的技術を要しない.場合によつては素人でもできるので人工呼吸と同様,救急蘇生法としての意義が大きい.さて以上は聊か旧聞に属するわけだが,ここで人力によつてこの体外式心臓マッサージをやる場合の仕事量を考えてみよう.成人の胸廓を約5cm圧迫するのには60〜120ポンドの力がいる,われわれの実験によると成人の胸廓に加える力と変形との関係はバネ定数1kg/mmの発条とほぼ等しい.5cmの圧迫ストロークをうるのに50kgの力がいるとして毎分60回これを繰り返し1時間続けると約1万キログラム・メータの仕事量になり術者自らの体重や筋肉の効率などを考慮に入れると数百カロリーのエネルギー消費になる.経験者なら誰でも覚えがあるが心臓マッサージを10分間位続けるといい加減疲れてしまう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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