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文献概要
特集 腹部外科の臨床 綜説
腹部外科の動向
著者: 長洲光太郎1
所属機関: 1関東逓信病院外科
ページ範囲:P.1147 - P.1150
文献購入ページに移動はじめに
19世紀後半に腹部外科の端緒がひらかれると,つぎつぎと第1成功症例の発表があり,20世紀には外科学の中心となつた.最近では脳外科,麻酔学,心肺血管外科,小児外科などの順に新しい分野が開拓されてきたので,華ばなしい業績が眼を引く.しかしこれ等専門的な分化した部門以外ではやはり腹部外科の比重は最大なものといえよう.腹部外科はもはや行詰つたと思うのは近視眼流の早計である.腹部外科は依然として外科学の中心で,最も進歩した部門であるから,その業績の集積は莫大なものがあり,依然として主流をしめている.こういう分野での症例をたんねんにつみかさねてゆくことは極めて大切であつて,思いがけない新事実も発見されるのである.
最近は癌治療とか,その早期診断とか,内視鏡学の発展とかいう面で,内科外科をとわず消化器病学がだんだん確立しているので,各国でGas-troenterologiaが発展しているが,なお外科からの寄与の比重は内科にくらべると軽きに失すると思う.消化器病学が内科にかたよるというのは当を得た状態ではない.
19世紀後半に腹部外科の端緒がひらかれると,つぎつぎと第1成功症例の発表があり,20世紀には外科学の中心となつた.最近では脳外科,麻酔学,心肺血管外科,小児外科などの順に新しい分野が開拓されてきたので,華ばなしい業績が眼を引く.しかしこれ等専門的な分化した部門以外ではやはり腹部外科の比重は最大なものといえよう.腹部外科はもはや行詰つたと思うのは近視眼流の早計である.腹部外科は依然として外科学の中心で,最も進歩した部門であるから,その業績の集積は莫大なものがあり,依然として主流をしめている.こういう分野での症例をたんねんにつみかさねてゆくことは極めて大切であつて,思いがけない新事実も発見されるのである.
最近は癌治療とか,その早期診断とか,内視鏡学の発展とかいう面で,内科外科をとわず消化器病学がだんだん確立しているので,各国でGas-troenterologiaが発展しているが,なお外科からの寄与の比重は内科にくらべると軽きに失すると思う.消化器病学が内科にかたよるというのは当を得た状態ではない.
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