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特集 腹部外科の臨床 研究と報告
腸管嚢胞様気腫の1例
著者: 米川温1
所属機関: 1鳥取大学医学部綾部外科
ページ範囲:P.1289 - P.1291
文献購入ページに移動 腸管嚢胞様気腫(Pneumatosis cystoides intestinalis)はMeyer (1825)が豚の小腸に発見し,又Bang (1876)はS字状結腸捻転症によるイレウスで死亡した婦人の剖検に際し,たまたま小腸に本症をみいだした.Hahn(1899)は幽門狭窄の1例に開腹術を行なつた際これを発見した.その後内外文献に報告例が散見された.がなお比較的まれな疾患に属し,わが国では三輪(1901)の報告以来80例あまり過ぎないといわれる.その発生原因についてもいまだ十分に解明されていない.著者は最近,胃癌の1症例の開腹手術に際し,腸管の広汎かつ高度の嚢胞様気腫を合併していた症例を経験した.ここにその臨床所見の大要を記し,大方の御参考に供したいと思う.
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