臨床外科21巻1号

1966年01月発行

特集 癌の補助療法・1

癌の化学療法

著者： 勝正孝¹² 藤森一平³ 山本一郎³

所属機関： ¹慶応大学内科 ²川崎市立病院 ³川崎市立病院内科

ページ範囲：P.27 - P.36

文献概要

はじめに
　周知のごとく，近代医学の各分野における進歩は目醒しいものがあり，従来不治あるいは難治とされていた数々の疾患に対しても，輝かしい成果が挙げられているが，ひとり癌に対する治療に関しては，臨床上今なお満足すべき状態ということはできない．
　癌に対する治療法としては，古くより手術療法が行なわれ，さらに放射線療法がこれに加わり，近年に至りいわゆる化学療法が開拓され，現在この3者を如何に有効に施行するかが癌治療の基本といつても過言ではない．