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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻1号

1966年01月発行

文献概要

新しい検査法・2

電気抵抗法によるヘマトクリット測定法

著者: 中村孝哉1

所属機関: 1関東逓信病院外科

ページ範囲:P.94 - P.94

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 臨床的に広く用いられているヘマトクリット値(以下Ht値と略す)測定には,主としてウイントローブ法および毛細管法がある.しかしながらこれらはそれぞれ不都合な点もある.すなわち,ウイントローブ法では1mlという比較的多量の血液が必要で所要時間も30分を要する.また毛細管法では高速遠沈により所要時間は5分,要する血液量も微量ですむが,使用する毛細管のチューブ内径がおのおので異なり,各1本の毛細管についても両端の内径がおのおので異なり,かつ採血後に一端を閉じる操作でも細管底を正確に平に閉じることは技術的に困難である.しかも遠沈後にHt表で赤血球層の高さを測定する時にも誤差が生ずることとなる.これらの欠点を補うことのできる測定法が必要となる.すなわちHt値を測定するまでの操作が簡単で,必要血液量も少なく,かつ採血が容易で所要時間も短く誤差の生ずる操作の少なくて済む方法が望ましいわけである.そこで私共はこれらの点を考慮して以下に述べるように赤血球の電気抵抗を利用したYSI Model 30 Electronic Hema-tocrit(米国イエロースプリング社製)を使用するHt測定法(以下電気抵抗法と呼ぶ)を推奨する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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