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外国雑誌より
Nathanのペースメーカと心房細動
著者: 須磨幸蔵1
所属機関: 1東京大学第2外科
ページ範囲:P.103 - P.103
文献購入ページに移動 NathanのP波同期型ペースメーカ(Synchronous Pacer)は杜絶した房室伝導路の回復という点で注目に価するものである.これは心房に縫着した電極でP波を導出しそれより約0.16秒の房室伝導時間に相当する遅れ時間をつけて心室に電気刺激を与える同期回路を含むペースメーカである.
したがつて身体の要求に応じたP波と同じ数だけの電気刺激で心室がdriveされること,心房と心室が房室伝導時間の間隔をもつて相前後して収縮するので心搏出量が増加するなどの利点があり,生理学的見地からは従来のペースメーカに優るものである.なおこれには安全装置が内蔵されており,心房電極の破損とか心房の活動電位が同期回路を作働させるには小さすぎるような場合には自励の刺激装置が働いて毎分52の電気刺激を発生する.さらに過頻度のP波のすべてに対して同期装置が働作しないよう不応期をもち,P波が毎分110以上になるとその1/2,220以上では1/3の数の電気刺激しか発生しないという巧妙な仕組になつている.
したがつて身体の要求に応じたP波と同じ数だけの電気刺激で心室がdriveされること,心房と心室が房室伝導時間の間隔をもつて相前後して収縮するので心搏出量が増加するなどの利点があり,生理学的見地からは従来のペースメーカに優るものである.なおこれには安全装置が内蔵されており,心房電極の破損とか心房の活動電位が同期回路を作働させるには小さすぎるような場合には自励の刺激装置が働いて毎分52の電気刺激を発生する.さらに過頻度のP波のすべてに対して同期装置が働作しないよう不応期をもち,P波が毎分110以上になるとその1/2,220以上では1/3の数の電気刺激しか発生しないという巧妙な仕組になつている.
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