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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻1号

1966年01月発行

文献概要

講座

外科領域における水分電解質の問題(1)

著者: 高藤歳夫1

所属機関: 1国立相模原病院外科

ページ範囲:P.111 - P.114

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 近年,外科関係の領域においても,水分電解質の問題についての論文が,数多くみられます.この問題が外科領域でなぜ必要であるか,というその理由を考えてみますと,大ざつぱにつぎのようなことが挙げられます,第1に,外科患者では,食餌を経口的に摂取することが困難であつたり,または不能であつたりする場合が,非常に多くみられることであります.食道癌・胃癌・結腸癌などによる消化管の狭窄状態は,日常よくみる疾患でありますが,急性・慢性のイレウス,幽門狭窄,各種の腹膜炎,その他,外傷による失神状態,脳腫瘍,破傷風などの際にも,経口的に栄養を摂取することができません.それから種々の手術後の状態ですが,とくに開腹術後数日間,経口的に十分の栄養のとれないことは,いうまでもありません.さらに疾患の状態によつては,嘔吐であるとか,下痢・腸瘻などのように,水分や電解質を異常に失う場合もあります,以上述べたような生体の状態に対しては,どうしても,水分や電解質を,蛋白を含めて栄養とともに,非経口的に与えることが必要となります.すなわち輸液でありますが,この基礎的の知織として,水分や電解質の代謝に関する知見が要求されるのであります.
 本稿では,まず生体における水分や電解質に関する一般的のことがらを述べ,その代謝や脱水のこと,更に手術侵襲時におけるこれらの変化,最後に輸液に関する考え方といったことについて,述べてみたいと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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