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論説
胆道再建—九大第1外科15年の統計的観察とその実際
著者: 西村正也1 永光慎吾1 坂口信昭1 和田好弘1
所属機関: 1九州大学医学部第1外科教室
ページ範囲:P.1359 - P.1365
文献購入ページに移動胆道再建は厳密には,先天的あるいは後天的に胆道の閉塞,欠損あるいは損傷のために胆汁排泄に障害をきたした場合に,他の組織・器官あるいは人体以外の物質を胆道の一部に導入することによつて,胆汁通過障害を除こうとする手術を意味するのであろうが,しかしそのような例は比較的稀なものである.したがつて本稿では広義に解釈して,単に胆汁の流通障害を除く目的をもつて本来の通路以外の排泄路を造設することによつて,胃腸管内へ胆汁を導入する手術をも含めて論ずる.
わが九大第1外科教室で1950年11月から1965年10月までの15年間に行なわれた胆道再建症例は160例である,その内訳は第1表のごとくである.すなわち良性疾患68例42.6%,悪性疾患92例57.4%である。先天性胆道閉塞症は本稿では除外している.良性と悪性の疾患とでは胆道再建に幾分の考え方,技術上の差があり,また総胆管嚢腫に対する考え方は他の場合と別個に論ずべき点があるので,それぞれについて逐次的に述べる.
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