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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻10号

1966年10月発行

文献概要

外国雑誌より

経皮カテーテル穿刺法(Seldinger法)の合併症について

著者: 上井巌1

所属機関: 1東京大学医学部胸部外科

ページ範囲:P.1393 - P.1393

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 心臓血管外科の発達にともない,動脈撮影の技術が広汎に診断にとり入れられるようになり,とくに経皮的カテーテル穿刺法(Seldinger法)1)が開発されそれが,比較的簡略であるところからますますひろく安易に行なわれるようになつたが,その合併症も無視できない数に上るものとみられる.この経皮穿刺法に伴う合併症について考察してみたい.
 1950年代は賢不全.神経傷害,アレルギーなど,主として造像剤の不備によると思われる合併症が主であつたが,最近は造像剤もかなり良好なものが出回わつており,Seldinger法にともなう合併症の報告は主としてその手技に関係があると思われるものが多い.経皮穿刺法は刺入点としておおむね鼠径部をえらび大腿動脈を通じてカテーテルを挿入するのが通例である.合併症としては表に示したように,この刺入点における動脈の血栓による閉塞,ならびに出血,大血腫,仮性動脈瘤などがそのほとんどをしめている.なかでも血栓による動脈閉塞は比較的よくみられる合併症である.血栓は内膜の比較的広範囲の損傷によるものと考えられるが刺入操作の粗暴,刺入血管が細小なこと,動脈の硬化性病変,カテーテルを出し入れする操作を頻回行なうことなどがその原因と考えられている.血栓によつて動脈が閉塞した場合,足背動脈の脈搏をふれず,さわると冷たく感じ,虚血のため白つぽく見えるなどの症状が現れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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