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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻10号

1966年10月発行

文献概要

読影のポイント

脳波の読み方—(9)てんかんの脳波

著者: 喜多村孝一1

所属機関: 1東京大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1420 - P.1426

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 脳波は機能的検査法であるため,脳の機能的疾患の1つであるてんかんの診断において,もつともはなやかにその真価を発揮する.てんかん学は脳波あつてはじめて今日の隆盛をきずいたし,また反面,黎明期の臨床脳波はてんかん学者の努力によつて開発され発展してきたのである.脳波とてんかんとは切つても切れない関係にあるということができる.
 Jacksonてんかんにその名を遺しているJohn Hugh-lings Jacksonは,脳波が発見されるよりもはるかにはやく,「てんかんの本態は神経細胞の発作的な,病的に過度なdischargeによるもの」と考えた.彼の卓見はまことに驚くべきものである.彼の考えの正しかつたことは,後に脳波によつて証明されたのみでなく,てんかん脳波の定義として,現在でもなおそのまま生き続けているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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