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文献詳細

雑誌文献

臨床外科21巻10号

1966年10月発行

手術手技

幽門括約筋保存胃切除術

著者: 中尾行保1 勝見正治1 西垣彰夫1 岡田至弘1 田中晋二1

所属機関: 1和歌山県立医科大学第2外科教室

ページ範囲:P.1427 - P.1433

文献概要

はじめに
 1881年および1885年に偉大な外科医Billrothにより初めてなされた胃切除法,いわゆるBill-roth,I,II法は,以来吻合法に多少の変法を産みつつ,今日まで胃切除法の基準として君臨してきた.しかも本法は胃癌などの悪性疾患の胃切除法として,いまなお確固たる地位を占めているが,潰瘍などの胃良性疾患の胃手術法としては術後障害の面より最近漸く批判されるに至つた.すなわち標準胃切除後にはdumping syndrome, smallstomach syndrome, diarrhae,などかなり重要な後胎症の現われる頻度が高い1)2).また消化性潰瘍の病態生理の解明,Vagotomyの再認識とあいまつて,欧米においては十二指腸潰瘍に対しては,いわゆる迷切合併胃半切除術が広範胃切除に代りつつあり3)4),その他dumpingを防止すべく考慮した種々の吻合法,あるいは幽門括約筋を保存する目的でのPylorus reserving gastrectomyなどが行なわれ始めた.
 本邦においては友田の胃嚢形成B-I法5),大脇の隔輪挿入胃切法6),あるいは槇のPylorus reserv-ing distal gastrectomyなどがそれである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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